FacebookのInstant Articlesから考える、メディアに残された残酷な2つの選択肢

2018年9月21日ウェブマーケティング,雑記Facebook,Inatant Articles,メディア,モバイル,表示速度

皆さんはFacebookに「Instant Articles」という機能が盛り込まれたことに気付いていますか?

こんな記事を見たことは無いでしょうか?

記事右上に「雷」マークが入っている記事です。

この雷マークの付いた記事については、リンク先の読み込みが通常リンクの10倍程度早い速度となっています。

この機能、実は非常に奥が深く、メディアの勢力図を塗り替える可能性を持っています。

Facebookに直接記事をアップロードすることにより、掲載している広告収益はFacebookとシェアだが表示速度10倍(モバイルアプリのみ)の恩恵を受けられる←だけじゃない!

今回のFacebookの「Inatant Articles」の実装により、メディアはFacebookと広告収入をシェアする代わりにモバイルアプリのみですが表示速度10倍での表示ができます。

ですが、これは表面上のお話であり、本質は「メディアがウェブサイトを運営する必要が無くなる」という点にあります。

Facebookは世界有数のユーザー・トラフィックを抱えた"CMS“となる

なぜInstant Articlesがメディアの業界図を一変させるかもしれないのか。

理由は簡単で、FacebookがWordPressのようなCMS機能を持つことで、ウェブサイトの運営に我々メディアがリソースを割く必要が無くなるのです。

メディア側はFacebookの指定する形式で記事を納品するだけで、タイムライン上への反映も行ってくれますし、メディアなのに自社サイトを持つ必要が無くなるのです。

つまりGoogleでの検索順位を上げるためのSEOだったり、リスティングだったりを考える必要が無くなるのです。

さらに、改修等の人件費からサーバー管理まで一切やる必要がなくなります

やるべきはFacebookアカウントに"ファン数を増やすための運営方法コンテンツ・広告クリエイティブ

ウェブ担当者のKPIは非常に単純化され、負担は爆減します

熾烈を極めるGoogle VS Facebookの様相

世の中のウェブサービスは「Google」と「Facebook」に二分されました。

Facebookのデモグラフィック情報(性別や学歴、好み等)の世界一の正確さを利用したターゲティングは広告配信で最も精度が高いため、Googleでのリスティング/ディスプレイ広告で配信を行うのか、Facebookを利用したターゲティングによる配信を行うのかマーケターは真剣に考えなければなりません。

この戦いの行く末はどうなるか分かりませんが、Facebookがメディアとなり、我々はコンテンツの提供者というポジションに立たされる構図になりそうなのは間違い無いでしょう。

日本企業で導入しているところも積極的な活用はできていない模様

この機能は日本だとβ版のようで、BuzzFeed JAPANや朝日新聞社、産経新聞等が導入しているようです。(参考:http://jp.techcrunch.com/2016/01/14/facebook-instant-articles/)

BuzzFeedはこういう先進技術への取り組みが盛んで、体感7割以上の記事がInstant Articlesになっています。

日本だと朝日新聞で確認できましたが、対応記事数は非常に少ないです。

産経新聞とかも取り組んでいるようでしたが、タイムラインを遡っても確認できませんでした。

「Instant Articles」と通常記事の表示の違いはそこまで違和感無し

BuzzFeedの例ばかり出して恐縮ですが、Instant Articlesと通常記事の場合の違いを画像で見てみましょう。

通常記事

Instant Articles

SNSのボタンが無くなり、Facebookのシェアのみ出来るようになっています。

細かいけれども、他サービスへの拡散を許さないFacebookの厳しい姿勢が見えますw

というより、wifi環境下での高速通信に慣れているにも関わらず、読み込みが本当に一瞬で終わるので、むしろそこに違和感を感じますw

メディア運営者やウェブマーケターは、新しい時代の流れを掴みに行くべきでは無いでしょうか?

マーケターとして、Facebookの可能性を無視出来なくなってきたのでそろそろ広告配信を行おうと思います。