音楽ストリーミングサービスは、当初はAWAやLINE Musicなどといったサービスが発端だったのですが、今やGoogle Play MusicやApple Music、Spotifyといった巨人が相次いで参入している激戦区でした。
そんな中、Amazonも「Amazon Prime Music(プライム・ミュージック)」という名前の聴き放題サービスをスタートさせました。
しかし、Apple Musicは3,000万曲、Google Play Musicは3,500万曲、Spotifyは4,000万曲と楽曲数の充実を図ってきたのに対し、Amazon Prime Music(プライム・ミュージック)はたったの100万曲。
なぜ少ない楽曲数のままサービスをリリースし、拡充も進めているように見られないのか、その理由を纏めます。
プライムナウ対象地域が拡大中!:Amazon Prime Now(プライムナウ)が東京23区全域で利用可能に!改めて利用可能条件を確認しよう
Amazon Prime Music(プライム・ミュージック)の目的は「プライム会員の音楽領域の購買を促進すること」
皆さんは音楽ストリーミングサービスに求めるものとして、何を挙げますか?
「楽曲の充実度」「価格」「音質」「データ通信をせずに聞けるか(ダウンロード再生可能か)」でストリーミングサービスをユーザーは比較する
僕は上記を挙げますが、恐らくお読みのあなたも同じだと思います。
そして、「楽曲の充実度」が低いサービスは真っ先に利用対象外になります。
自分の聞きたいアーティストを扱っていないストリーミングサービスを使っても、自分の好きな曲が見つかる可能性なんて少ないからです。
この目線で言うと、iPhoneユーザーの僕の選択肢は、楽曲数の多いApple Music一択になります。(参考:iPhone6(シルバー)⇒iPhone7(ブラック)に乗り換えた僕が感じた、良かった点とイマイチな点)
AndroidユーザーであればGoogle Play Musicでしょうか。
双方価格と楽曲数がほぼ変わらず、所有スマホのOSと同じ企業の運営するサービスの方が連携性は遥かに高いからです。
音楽ストリーミングサービスとして一番重要な「楽曲数」で勝負しないAmazon Prime Music(プライム・ミュージック)は、Amazonのユーザー情報(購入履歴)を利用した圧倒的精度のレコメンドで勝負
音楽ストリーミングサービスは、ストリーミング時の十分な音質を担保するためのインフラ設備と、楽曲数を担保するためのレコード会社との契約費が固定費としてサービス開始当初大きくのしかかってきます。
これを有料会員の月額費用でペイさせるのは至難の業で、相次いで参入した企業から音楽ストリーミング部門が黒字化しているというニュースを聞いていないところを見ると、まだ赤字なのかなと邪推してしまいます。(Spotifyですら、年間200億円の赤字(2014年時点))
Amazonは、そこに目をつけました。
有料会員の年会費なんていらない!Amazonの音楽部門の売上を上げて利益を出す
僕はAmazonの中の人でも何でも無いですが、Amazonの狙いは上記しか考えられません。
そもそも、楽曲を充実させて厄介なレコード会社との交渉を行い、落ちないサービスを運用するためのインフラ費用も捻出して(AWSの技術力のあるAmazonなら、余裕ですが)、それを有料会員の月額費・年会費で賄うなんて到底ムリな話。
逆に、Amazon Prime Music(プライム・ミュージック)を利用してくれるユーザーに対して、よく聞くジャンルのCDをレコメンドして購入に繋げた方が購買単価も遥かに高いです。(Apple Musicの場合、アルバムの購入よりも1曲での購入が多くなり、単価は安くなる。)
しかも、Amazon全体の購入履歴もある訳で、ECのプラットフォームを持たない他社が上記モデルに太刀打ちできる訳がありません。
しかも、楽曲数が少ないからこそ「プライム・ミュージックに僕の聞きたい曲がない…じゃあAmazonで買うか。」となります。
楽曲数をあえて増やさずに、Amazon音楽部門の売上を上げる & プライム会員のロイヤリティを高めるという事業戦略。正直、考えた人の頭の良さに脱帽です。
僕はAmazon Prime(プライム)の会員で、ヘビーユーズしています。
プライム会員が受けられる特典やメリットを纏めていますので、ぜひ一度御覧くださいね。