僕はこれまで、いまいちピコ太郎さんの「PPAP」が世界で大ヒットした理由が分からずにいました。
覚えやすいフレーズだからとか、独特のミュージックがウケたからと言われても、正直ピンときませんし、それが全世界でヒットしたのは結果論でしかありません。
ジャスティン・ビーバーがシェアしたのも偶然でしょうし、狙って次のヒットを生み出すための方法論には繋がらないでしょう。
しかし、実家に帰って父親に言われた言葉で妙に納得出来たので、それを纏めます。
「PPAP」を生み出したピコ太郎は、「英語でお笑いのインフラ」を作って全世界で大ブレイクした
ピコ太郎さんの「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」は、”pen(ペン)”,”pineapple(パイナップル)”,”apple(りんご)”という、世界中の幼稚園生でも分かるような平易な英単語で構成されています。
そして、それぞれの単語を組み合わせると”apple pen”,”pineapple pen”,”pen pineapple apple pen”という造語が出来る、というシンプルな歌です。
「PPAP」は適当な二語を組み合わせてその過程を歌うと面白い、というインフラを構築した
「PPAP」は1分程度の曲であり、歌詞も覚えやすく、音程も高くなく誰でも歌える、というのももちろん重要な要素だったのですが、それよりも「何か2語を組み合わせる過程を歌にすると、小気味良いリズム感に乗れて面白い」というインフラを作り、後は世界中で勝手に拡散させるようにしたから、大ブレイクしたんだよ、と父親に言われて、ハッと気づいたのです。
確かに、今ピコ太郎さんの出てるCMはPPAPの「替え歌」だし、テレビやYouTubeで別の人が歌ってるのは大体「替え歌」。つまり、ピコ太郎さんはインフラ(二語の組み合わせの歌)を作って拡散(替え歌)させてブレイクした
「ピコ太郎 関連動画で潤う」という記事が日経新聞に掲載され、大きな話題を呼びました。
この記事にも書いてある通り、ピコ太郎さんの所属するエイベックスグループはコンテンツの複製をYouTube上で禁止したりしていないようで、替え歌や改変動画も削除されたりしません。(ただし、作られた動画の広告収入は権利元であるエイベックスに全て入る仕組み。)
そのため、今や小学生がYouTubeに動画投稿する時代ですので、全世界で「PPAP」の替え歌や踊りの動画が作られ、無限に拡散されてビルボード77位にランクインするまでになったのです。(全て平易な英単語で作った曲だったため、世界中誰でも替え歌が作れるのです。)
つまり、ジャスティン・ビーバーのような世界的な有名人にシェアされるような土壌は出来上がっており、シェアされたのも必然に近い偶然の出来事だった訳です。
※今年流行った「君の名は。」のテーマソング「前前前世」もこんな具合に拡散してます。
言語の壁を超えて、お笑いで世界でブレイクするってこういうことなのかと感嘆したと共に、狙ったとしたら素晴らしいマーケティング戦略だし、一度裏側の人とお話させてもらいたいなと思っています。
と同時に、「PPAP」のヒットの理由が分からずにモヤッとしていた僕を腹落ちさせた父親は、やはり偉大だと実家に帰って思った次第で、早く超えられるよう2017年も頑張っていこうと思いました。