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(中古だけど)1万円のWindows PCって使い物になるの?

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先日、ネットのPC系情報サイトにとあるWindows搭載の2in1 PCが、中古の外装に多少使用感あり状態でたったの1万円ちょいの価格で多数売りに出されている、との記事がアップされていました。

メーカーはNEC。機種はワコム規格のスタイラス付きの10.1型液晶搭載機、VersaPro VT-Jです。

CPUはATOMで非力なのは非力なのですが、著者の経験的に使い途をキチンと選べば実用的な性能を持っていることは既に確認済み。

ですので、この価格はすごくお買い得に感じて速攻で1台確保してみました。なにせWindows 10自体のライセンス買うより安いのです。

実際のところ中古とはいえ1万円ちょいで買えるWindows PCなんて使い物になるの?そう疑問に思われる方の方が多いでしょう。今回はこの機種をあれこれいじってみて使い勝手の方をレポートします。

まずはスペック

VersaPro VT-Jは2014年発売のマシンのようです。

10.1型でWUXGA、1,920×1,200ドットと高解像度で16:10の縦横比を持つタッチ対応液晶を搭載しています。タッチパネルはワコム規格のスタイラスペンに対応するところが大きな特徴で、滑らかな書き味とスムーズな筆圧検知に対応しています。

CPUは少しチップのバージョンが上がったATOMのZ3000番台で、「デュアルチャンネル」メモリに対応しているATOM Z3795を採用。4コアで定格1.6GHz動作です。

メインメモリは設計したNECがとても真面目でキチンとデュアルチャンネル構成の4GB。地味に性能に効くフィーチャーです。

ストレージはeMMC接続のSSD 128GBと結構余裕のある容量です。

標準状態だとWindows 8.1 Proの32bit版が載っかっています。今回、著者はサッサとWindows 10 Proにアップグレードしてレビューを行なっています。

基本タブレットパソコンですが、専用のキーボードドック付き。Bluetooth接続ではなく有線接続の専用デタッチャブルキーボードというユニークな構成です。

一応ベンチマーク

CPUがATOMですので今風のベンチマークテストではハッキリ言ってまともな結果は出ません。数字だけ見るとわりかし惨憺たる結果になります。

でも一応大事な部分の性能は見ておきましょう。

内蔵ストレージのeMMC接続のSSDはこんな感じ。

シーケンシャルリード/ライトが遅く、結構古いパーツのようです。ランダムアクセスもふるいませんが、それでもHDDよりは数十倍高速で高レスポンスです。ここが何気に使い勝手に効きます。

続いて現在の3Dのゲームではすごく軽いタイトルのドラクエXベンチマーク。

こちらも予想通りとはいえなかなかにしょんぼりな結果です。
解像度を抑えてもプレイはキツそうです。

CPU性能もチェックしますが、かなり本格的で重量級のCINEBENCH R20などを動かすのは正直厳しいので、よりシンプルなCrystalMarkでCore i7-10700搭載機との違いを見てみます。

VersaPro VT-J(ATOM Z3795)

Core i7-10700

ぶっちゃけCPU性能は10倍程度の違いがあるとの結果ですね。

このようにベンチマークのスコアは全く冴えません。

ここまで絶対性能が低いと実際の使用感がどうなのか不安になると思いますが、次の節で実使用感をレポートしましょう。

実際の操作の重さ・軽さは?

搭載しているストレージの性能が今ひとつ、特にシーケンシャルリードが遅い関係からか、Windows 10の起動とかアプリの起動ではどうしても待ち時間が少しあります。

ですが、普通のアプリなら一度立ち上がってしまえばあとは結構快適です。

Edgeでのネット閲覧は普通にサクサク動いてくれますし、テキストエディタで文章の作成を行なってそれなりに全力で日本語入力を行なってもキチンと追従してくれます。文字の取りこぼしなんてことは起きません。

さすがに高性能なデスクトップPCほどの動作の「キレ」はないですが、問題のない使いごこちです。

また、ゲームも2Dのモノなら問題なく動いてくれます。

ブラウザゲームとしては超重量級といえる艦これのアニメーション部分もスムーズに動作します。ノベルゲームなどのアプリも問題ないでしょう。

あと、最初期のMMORPGで描画負荷が軽いRagnarok Onlineも問題なく遊べました。一応このタイトルはフィールド、背景の描写には3Dのポリゴンを使っているのですが。

マイクロソフトオフィスも動作のキレ、起動の速さこそないものの普通に使えるレスポンスです。

ベンチマークソフトで出てきた数字のような圧倒的とも言える差は、実使用感において感じることはほぼありません、一般的なアプリを使っている分には。

もちろん動画編集とか高解像度の写真の現像・フォトレタッチとか言った超重たい処理を実行しようと思うと、絶対性能なりの遅さにはなってしまいますから、そういった部分の使い分けが必要にはなります。

高いドット密度とそのあたりにまつわる使用感

このPCのディスプレイは10.1型と小型ながらWUXGAの高い解像度を持っています。

このためWindowsで使うときには表示される文字サイズが問題になるケースが多いでしょう。標準の設定だと文字が小さすぎて読むのが結構大変です。著者はWindows 10側の設定でフォントのサイズを125%にしています。

この設定のせいで実質解像度が1,536×960ドットのディスプレイで作業しているのに相当する情報量に目減りしてしまっているわけですが、ブラウザとテキストエディタを一緒に開いて見比べながらの作業ぐらいであれば問題なくこなせそうです。

また、高いドット密度は電子書籍リーダーとしてはすごく相性のいいスペックです。とても滑らかでキレイなフォントで読み物が表示できます。

また、コミックもがさつかない表示が可能で、よほどコマ割りが小さいものでない限り見開き表示で快適に読むことが出来ます。

上質なスタイラスの使いごこち

VersaPro VT-Jに標準でついてくるスタイラスはワコム規格のもので、筆圧検知に対応しています。

使わないときにはキーボードドックに上手に収納できるようになっています。

こちらの使いごこちもなかなか良好で、かなり滑らかな書き心地が堪能できます。筆圧検知も自然で使いやすいですね。ポインタの追従も悪くなくほとんど違和感なくフリーハンドドロウが出来ます。

ポインティングデバイスとしてはドット密度が高い関係か反応がやや過敏に感じました。

特筆すべきキーボードの出来

そして著者が一番驚いたのは、実は付属のキーボードの出来具合です。

キーピッチこそやや狭めで一部のキーに幅が狭いものもあるのですが、キータッチ自体は実に素晴らしいものです。

やや硬めのクリック感ですが、押し込むときの押し圧変化の角が丸められている感じで、いきなり抵抗がなくなって指先がキースイッチのベースに衝突する感じがありません。

また、キースイッチの底を打つ感覚が柔らかくて指の疲労感は少なくて済みそうな感触があります。

キートップのぐらつきもよく抑えられていて工作精度も高く、安っぽいカチャカチャ音がありません。よくぞこのクラスにここまでのキーボードを付けたものだと、ここは正直感心しました。NECとレノボの協業の成果の一つかもしれませんね。

積極的に持ち運んでの物書きマシンにすごくおすすめできる一台です。

ただ、タッチパネルの使い勝手には少々閉口。ボタンクリック特に右クリックがものすごくやりにくいです。ボタンを使わずにタップでクリック動作を済ませたいぐらいに。

出先にもモバイルマウスを持っていった方がいいかもしれません。

超いいお買い物をした感

中古品ですしいくつか使っていて気になる点もあるにはあるのですが、著者の使い途にはものすごくいい買い物が出来た感があります。

外観には擦り傷や塗装のハゲがしっかりあるなどの難点はあります。中古ですから当たり前ではあるのですが。まあ、カメラなんかの基準だと外観は並品ぐらいのグレードだと思います。

その代わり機能面には全く問題なし。特にキーボードには一切使用感がありませんでした。

性能的にもある程度このPCで出来ることを分って利用する必要がありますが、一般的なオフィスワークぐらいだったら問題なくこなせる能力はあります。

電子書籍リーダーとしても優秀ですしスタイラスで遊ぶことも出来る、著者個人としてはものすごくお得な買い物を出来た感じです。

使い方によっては1台目のPCとしてもいけるでしょう。また、PCのことがよく分かった人の2台目にもおすすめできる一台です。

中古商品ゆえにいつでも入手できるものではありませんが、気になる方は中古取り扱いのお店をチェックしておくといいかも。この中身が1万円はやっぱりお得だと思います。

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