タブレット端末には画面サイズで使い勝手が明確に分かれる3つのクラスがあると思います。
1つは7型か8型の小型クラス。2つめは今のタブレット端末のメインストリームだと思いますが、10型前後の画面を持つタイプ。3つめはだいたい12型からそれ以上のタブレットとしては大画面と言えるクラスの製品。
このほど著者は初めてのAmazonデバイスになるFire HD 8を手に入れました。タブレットの3つのクラスの中では多くの場合、一番価格的にもお手頃なことが多いものですね。
実際、割引とかの対象になっていないときでも1万円で買えるお手軽機種です。
そういうお手軽なタブレットの使い勝手がどんなものか、簡単にレポートしてみましょう。
一応スペック
タブレット端末のお手頃機種は本当はスペックが云々言うようなガジェットではないのですよね。元々お値段の張る高性能なパーツは使えませんから気にしてもしょうがない、というお話でもあります。
でもまあ一応Fire HD 8のスペックはまとめておきましょう。
心臓部のSoCは多分Amazonのカスタム品でエントリークラスのもの。描画を行なうGPUはArm系設計のオリジナルのもので、こちらもエントリークラス向けですね。
メインメモリは2GB。内蔵ストレージは32GBです。64GBのものも選べますが、電子書籍リーダー的に使う場合には32GBでも十分でしょう。足りなくなったらマイクロSDカードを追加すればいいですし。
バッテリーは最大12時間持つとされています。
画面は1280×800ドット。
無線LANはWi-Fi 5の1ストリーム対応だと思います。
薄さは9.7mm。
重さは355gが公称値です。
操作感
実際にFire HD 8を触ってみた感じは実は結構快適だったりします。
心臓部にエントリー級のSoCを使っている割にホーム画面やSilkブラウザの反応はかなり良好。ハードのスペックから予想するよりもずっと軽快に動いてくれる感じです。
センサーがいいのか周辺の調整が上手いのか、画面の縦横切り替えのレスポンスがものすごくいいのがサクサク感をより強調しています。スクロールもスムーズで反応も上々です。
ただ、OSなどのバージョンアップが背景で動いていると、割とはっきりと表側のユーザー操作に影響が出ますね。サクサク感は一気に失われます。が、そこはお値段等々を考えるとサックリと割り切れるでしょう。
一応、画面描画性能を見るベンチマークでかなーり重たい3DMarkを動かしてみたのですが、さすがにこちらはかなり厳しい結果でした。最近多くなっているポリゴンバリバリのスマホ向けゲームは厳しいと思います。
ただ、画面が2次元のもので書き換えが激しくないゲームだったらそこそこいけます。
Amazonのサービスとの一体感がステキ
FireシリーズのタブレットはさすがにAmazonが手がけるガジェットだけあって、Amazonのサービスとの連携がすごく上手く作られています。ホーム画面の構成自体、すぐにAmazonの各種コンテンツにアクセスできるようになっているところはさすが。
特にプライムユーザーであればすごく楽に全部のサービスを有効活用できるでしょう。
個人的にはKindleの書籍に一発アクセスできるだけでも大きいです。
Amazonのアプリストアの品揃えの少なさがネック?
OneDriveアプリがあったりしてビックリしましたが、それでもFireシリーズのアプリストアの品揃えはかなり控えめです。この部分は人によっては大きな弱点になり得そうです。
ただ、抜け道もあることはありまして、完全に自己責任の下で行なわなくてはいけない操作ですがGoogle Playを導入することもできます。
こちらは万人にお勧めできる方法ではありません。自分で情報を集めてそのメリットとリスクをキチンと理解できるユーザーだけがトライしましょう。
8型画面は絶妙なサイズ感
実は著者はタブレット端末では8型クラスの画面が一番使いやすいのではないかと思っています。もちろん画面が小さい分、表示できる情報は少なくなりますから制限もあるのはあるんですけれどね。
一番大きい要素は端末の「幅」です。余裕があるわけではないんですが、こんな形で安定して片手でホールドできるサイズ感だからというのがその理由。
重さも片手で長時間持っても疲れないレベルに押えられているってのも大きい。
画面サイズ的にはコマ割りの小さなコミックを表示した時にもキチンと全部台詞等々が読めます。また、小説を読むときにも適切な文字サイズで1画面内の文字数・行数が多すぎない読みやすい表示が出来るのも大きいです。
10型クラスならマンガは見開き表示でも普通に読めたりはしますが、重さ等々の関係で両手持ちが普通になりますしね。
ただ、8型クラスタブの幅は一般的な成人男性の手のひらで掴めるギリギリのサイズです。手が小さい人、女性だと使い勝手がまた全然変わってくるでしょう。
それでも一度ぜひ検討してもらいたいクラスの製品ではありますね。