ソニーの完全ワイヤレスイヤフォン、エントリー機WF-XB700詳細レビュー

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つい先日発売されたソニーの完全ワイヤレスイヤフォンの新機種で、同社の完全ワイヤレスイヤフォンとしてはエントリー機種となるWF-XB700を購入しました。

ソニー 完全ワイヤレスイヤホン WF-XB700 : 重低音モデル / 最大9時間連続再生 / マイク搭載 2020年モデル ブルー WF-XB700 L

著者としては初めての完全ワイヤレスイヤフォンになります。

ほとんど余分な機能を持たずBluetoothイヤフォンとしてほぼ「スッピン」といえるシンプルな内容の製品ですが、ソニーの重低音イヤフォンシリーズに属する製品でもあります。

しばらく試してみて感じたことをまとめます。

開封の儀

まずは恒例の開封の儀から。

箱は比較的シンプルで小型のものですが、外側の飾り箱が白ベース。

それに対し内側の箱が真っ黒というなかなかドラマチックな演出になっています。

内容物は至ってシンプルで、バッテリー内蔵ケースとイヤフォン本体、あとは説明書、保証書などのペーパーと充電用ケーブルだけです。

外観

WF-XB700のイヤーピースはちょっと面白いカタチをしています。

耳穴に入るイヤーチップから見ていくと「3階建て」みたいな構造になっています。

2階部分に恐らく12mmの大口径振動板を持つダイナミック型ドライバーが配置されていて、3階部分が電子系のパーツを格納しているのではないかと思います。

結構高さがあり3階部分のサイズもそこそこありますので、耳からはある程度出っ張る装着状態になります。が、外側はブルーのモデルでもかなり抑えた紺ベースで形状も普通に楕円形の奇抜なものではないため、サイズの割にはあまり悪目立ちはしない気がします。

ケースは大きくもなく小さくもなく。ふたは磨りガラス風の半透明なものでプラスティッキーで安っぽいとの評もあるようですが、これは狙ってこの質感にしている気がします。

また充電中のインジケーターが内側にありますのでふたに透過性を持たせるのは必須のフィーチャーになっています。

ペアリング

WF-XB700もBluetoothイヤフォンですから最初にスマートフォンなどとペアリングを行なう必要があります。

ソニーの上級機などではNFCの仕組みを使ったワンタッチペアリングが使われていたりしますが、この点もこの機種はシンプル。普通にBluetoothデバイスのペアリング手順を踏みます。

それぞれのイヤーピースについている物理ボタンを長押し(7秒)することでペアリングモードに入りますので、あとはスマートフォン側の設定操作を行なうだけでOK。

Xperia 1とペアリングしてみましたが全く何も問題なく一発で繋がりました。

装着

まずは使う前にバッテリー内蔵ケースごと充電を行なう必要がありますが、イヤーピースとケースの両方をいっぺんに充電可能でした。

リチウムイオンバッテリーの特性から、このバッテリーを内蔵するデバイスでは半分ぐらい充電を行なった状態で出荷されることが多くなっています。手元に来たものも同様だったようで、比較的短時間で充電が終わりました。

充電後に早速、使い始めてみました。

一番最初にちょっと驚いたのは装着感の良さ。

一見不思議なカタチをしたイヤーピースですが、耳の内側にどこが当たるのかを非常によく考えて作られた形状のようです。少し左右にひねりながら安定するポイントを探ると、すぐにとても安定した装着感が得られました。多少運動した程度では全く外れそうな感じがありません。

たまたまデフォルトでついているイヤーチップが著者の耳穴にぴったりのサイズだった、と言うのもあるとは思いますが。

ピッタリと耳穴にもマッチしたため耳栓効果による遮音性も非常に良好です。効果がありすぎて外音取り込み機能が欲しくなるぐらいに。

筐体がプラスチックなこともあってか、サイズの割には軽いイヤーピースですので長時間の使用でも耳が痛くなることはありませんでした。

肝心の音

初期設定のボリュームで音楽を聴いてみると、全然「重低音イヤフォン」とは感じない、とてもバランスの良い音が出てきたことに少し驚きました。

見せかけだけでなくしっかり下まで音は伸びていそうなのですが、そこだけ強調した音にはなっていなくて普通に聴けるバランスでした。

ただ、その感触はボリュームを2ステップ上げると激変。

重低音シリーズらしい量感のある低音が感じられるようになりました。音圧レベルによる人間の耳の周波数特性の変化が関係していたのかもしれません。

そこそこ締まったたっぷりの量感がある低音を響かせてくれます。

通常はあまりボワボワと無駄に膨らんだりしない低音ですので、他の音の邪魔になりにくいのがいい所ですね。あまり音楽のジャンルを選ばず一通りこなせそうな感じです。

音場は結構広め。カナル型ながら頭蓋骨より一回り広いぐらいの音の空間が出来ます。定位はかなりしっかりしていて音の鳴る位置という意味での分解能もそこそこ良好。それぞれの音もかなりキレイに分離して聞こえてきます。

中音域も高音域もかなりしっかりと出ていますが、高音域はもうちょっとクリアに伸びてくれてもいいかも。

あと10時間ほど聴いた後でも全体的にわずかに紗がかかったような、ほんのわずかにヌケが悪い感じが残っています。メジャーメーカーのエントリークラスの完全ワイヤレスイヤフォンの限界なのかもしれません。

純粋なイヤフォン自体の部材としては7000円とか8000円級の製品と同レベルのパーツまでが限界な気がするんですよね。このあたりのコスト構造の限界がこの製品のポテンシャルを制限している気がするのです。

それぞれの音の像は少し緩め。輪郭がすこーしぼやける感じです。

ただ、「いい感じに緩く」聞えるイヤフォンなので、イヤフォンから「じっくり聴き込めよ」と強要されるような緊張感は無駄に感じずに済みますね。気楽にBGM的に聞き流しやすい音とも言えるかもしれません。

AACでもガシャガシャうるさくならない音

WF-XB700ではBluetooth接続の際に音声コーデックはSBCかAACしか利用できません。

圧縮音源ではどれもそうなのですがエンコード/デコードの処理が上手くないと、大きな音が重なる部分でそれぞれの音が変に干渉して音の輪郭がガサガサに崩れ、ガシャガシャした感じのとっちらかったような五月蠅い聞え方をすることがあります。

そういった聞え方はこのイヤフォンそれはほとんど起こらないようです。上手に処理して聴きやすい音を出してくれます。

そのあたりソニーのデコーダーのノウハウなのかもしれませんね。他の機材、ソフトのDSEE HXなどで圧縮音源をアップコンバートしながら聴いても、同じようなスッキリした聞え方をします。とても聴きやすい音にしてくれるんですよね。

そのおかげもあってか、WF-XB700ではボーカル曲の歌詞がすごく聞き取りやすいです。演奏のボリュームが大きくてボーカルが埋もれがちな曲でもしっかり聴ける感じです。

すごく高音質ではないけれど

WF-XB700は価格帯から想像できるように、しっかりと音楽再生を意識した完全ワイヤレスイヤフォンとしてはエントリー級の製品になると思います。

このため音の方は「そこそこいい音」ぐらいでポテンシャルはそこまで高くはないと思います。

ですが、普段音楽を聴くときに本気で聴き込むにもBGM的に聞き流すにもバランスが良い「適度に緩い適度にいい音」を出してくれる製品になっていると思います。

イヤーチップさえ耳穴にフィットすれば装着もとても安定するはずです。

完全ワイヤレスイヤフォンの入門機としておすすめの製品の一つだと思います。