マーケティング戦略とは「市場を独占する」ためにあるべきである

2018年9月21日ウェブマーケティング,雑記マーケティング戦略,市場,独占

僕はウェブマーケティングの担当であり、アドテク(リスティング広告やディスプレイ広告)を本業としています。

所謂マス広告(テレビ広告など)では無く、SEMの視点からマーケティング戦略を考えてみると「市場を独占する」ためにやるべきという結論に達します。

※マス広告はコストがネット広告よりもかかるため、資金力のある大手企業が多いです。

この結論は、1円から広告配信が可能(Google AdWordsのみ。Yahoo!は5万〜)なネット広告だからこそでもあります。

その理由を今から説明していきます。

既に市場が広がっている領域(=キーワード)での広告出稿は多額の予算を必要とする

マーケティング担当者の元には、予算と目標が毎月置かれています。

例えばあなたは、完成したばかりのホテル予約サイトのマーケティング担当としましょう。(あえて市場が広がっている領域(レッドオーシャン)を選びました。)

月予算100万円でCPA○○円で頑張って!と言われたところで、ここからあなたがネット広告でCVを獲得していくのは至難の技です。

当たり前ですが「東京 ホテル」「京都 ホテル」なんてキーワードは大手がここぞと高い広告費で買い占めています

しかも厄介なことに、ネット広告には配信効率に応じた"品質スコア"というものが存在していて、配信実績のある大手ほど圧倒的に安い入札単価で広告配信が出来ます

レッドオーシャンな市場はマーケティング費用が高く付く

上記はネット広告においては"鉄則"なのです。

僕みたいな素人が「クレジットカード」とか「カードローン」といったキーワードで広告出稿しないのはそういう訳です。

1クリック数千円とかする世界に、弱小が立ち向かってもしょうがないのです。

もし担当している今の領域でそこそこの地位のサービスであれば、終わらない消耗戦に繰り出すことを意味しています…。

イケてるマーケティング戦略とは「市場を独占する」or「市場を作り出す」ことだ

もちろん、牛丼屋は松屋もあれば吉野家もあるじゃないか!とか、ヨドバシカメラやビッグカメラがある!とかキヤノンもあればオリンパスもある!という声も最もだと思います。

ですが、考えてみてほしいです。

各領域、株式上場等で大企業として生き残っているのは上位数社です。(※小さい形で生き残ろうとすれば、いくらでも生き残れます。小さな飲食店だろうが小さなウェブサイトだろうが、生きていくくらい稼ぐのは簡単なことです。)

米PayPal創業者で起業家のピーター・ティールは、自著「ゼロ・トゥ・ワン」にてこう述べています。

  • 競争を勝ち抜くか、独占するしかビジネスモデルは存在しない
  • 競争は「負け犬」がすることだ
  • 独占企業を作るには小さな市場を狙え
  • 重要なのは「初めて」になること

Googleがなぜ後発にも関わらず検索市場を独占できたか。それは「世界一の精度の検索エンジン」だからである

Googleの最初のビジネスである検索エンジンは、Yahoo!やMSNなどが既に存在していた市場です。

ですが、「被リンクを評価する」という革新的なアイディアから、未だにGoogle以上の精度の検索エンジンは世界に存在しません。(Yahoo!も検索エンジンのアルゴリズムをGoogleにしてしまい、独自開発を止めてしまいました。)

当時Overtureが検索連動型広告をヒットさせたということも追い風に、Googleはマネタイズも成功させたのです。

先ほどのホテル予約サイトの例を見てみましょう。

普通のホテル予約サイトでは、既存のサービスに勝てる訳が無いですしマーケティング戦略の立てようがありません。

ですが、「ホテル×プログラミング」「ホテル×ハッカソン」といったサービスならどうでしょうか。

今は小学生のプログラミング教育の義務化がほぼ確定していますし、数十年後には社会全体でハッカソンをやる文化が発展しているかもしれません。

プログラミング環境の整ったホテルかつ、皆で作業しやすい環境の揃った所のみ集めたサービス。

市場は(現時点では)ほぼ無いと思いますが、マーケティング戦略で市場を作り出しさえすれば、後は独占者の道を歩むだけです。

サービスが無い(少ない)ということは「参入障壁が高い」or「まだ誰もやったことが無い」ということであり、故に独占市場なのだ。

ここならサービスの独自性も訴えやすいし、マーケティング戦略も明確に立てやすいです。

ビジネスの世界では"オンリーワンかつナンバーワン“でないと、終わらない不毛な競争に繰り出すことになるのです。