久々にパソコン一台を自分でパーツ揃えて組んで見ました。
今まで自作するときにはその時点でのハイエンドに近いパーツを使ってそれなりの高性能機を作っていたんですが、今回使ったのは今あるパーツの中ではエントリークラス、というよりもローエンドに近い構成のパーツたちです。
そんなパーツをあえて選んで作った、いわゆる「エントリークラス」パソコンがどれぐらいのパワーを発揮してくれるか、そのあたりのチェックをしてみました。
心臓部は
今回選んだパソコンの心臓部のパーツはこの3つ。
- CPU インテルPentium G5400
- メモリ DDR4-2400 4GB x 2
- マザーボード H310チップセットのマイクロATX
CPUはインテルのパソコン向けCPUの現行モデル、第8世代のCoreプロセッサと同じ中身を持つ低価格チップです。
2コア4スレッド対応で動作クロックは3.7GHz。CPUに内蔵されているGPUは演算ユニットが12基のものです。ターボブースト機能は無効化されていて、動作クロックは800MHz~3.7GHzの間で負荷に応じて変化します。
本当は恐らく6,000円台で大量に市場に出回るはずのチップですが、インテルのCPUの供給に問題が生じていて新品が購入できなくなってしまっています。ですので今回は中古品をゲット。
メモリは合計8GBと結構贅沢な感じに見えますが、今自作パソコン向けのメモリモジュールは1つで8GBのものが主流になっていて1モジュール2GBの製品は手に入りません。このためエントリー向けでもメインメモリは自然と4GB x 2という実用性の高い構成になります。
マザーボードは今回選んだCPUにマッチするものではもっとも安価なものです。こちらも6,000円台で購入できました。
ハードディスク、電源、ケースは手持ちのものをやりくりして賄っています。
びっくりするぐらい「まとも」に動く
今回選んだパーツは今のパソコン向けだとローエンドに近いものですが、実際一台のパソコンにまとめて稼働させてみるとその「実用性の高さ」に正直驚きました。
OSにはWindows 10のプレビュー版を使っていますが、OS自体や動作が重めのアプリでもその使い勝手は「サクサク」と言っていいレベル。かなりストレスフリーで操作することが出来ます。
Windowsをインストールしたのがハードディスクなので、OSが起動するときや大きなアプリを立ち上げるときにはどうしても少しの待ちは発生しますが、そこ以外はすごく快適に利用できます。
OS自体が違うので完全に同じ状況での比較にはなりませんが、Core 2 Duo世代のハイエンド機よりももしかしたら操作感は良いかもしれません。それぐらいの良好な使いごこちです。
軽い3Dゲームもイケル
CPUに内蔵されているGPUを使うパソコンだとゲームは無理と思うユーザーもいるかもしれません。ですが今の統合GPUは数年前のエントリークラスのビデオカード並みの描画性能があります。
ドラクエXのようなビデオカードへの負担が少ないゲームなら設定次第で十分に遊べる性能があります。
さらにビデオカードの負荷が少ないMMORPGのラグナロクオンラインならば、そこそこの高解像度で遊びながらプレイ画面の動画キャプチャまで行うことができました。ゲーム側のプレイ感に影響はなく、キャプチャした動画の画質も十分でした。
こちらにはインテルの統合GPUに含まれている動画のハードウェアエンコーダの性能も効いています。CPUなどに余分な負荷をかけることなく動画記録が出来ます。
Windows 10のゲームサポート機能のGameDVRなら積極的にビデオカードの付加機能を使ってくれますので、意識しなくても動画のハードウェアエンコーダが利用されるようになっています。
オフィスソフトはもちろんOK
今のパソコンの性能だとWORDやExcelなどのオフィスソフトはすごく軽い部類のアプリです。なのでよほど巨大な文書やシートを作らない限り、オフィスソフトはごく当たり前に非常に軽く動作してくれます。
Excelで縦横にスクロールさせてみましたが引っかかりもなくスクロール自体も高速で、軽快な使いごこちです。
さらに驚いたのは結構重いデジタルカメラの現像・リタッチソフトがかなりサクサク動いてくれたことです。
ドットバイドットまで拡大しての写真の詳細なチェックも問題なし。その状態でのスクロールもとてもスムーズでした。色や明るさ、シャープネスの調節なども全く問題なく行えて、正直ちょっとびっくりでした。
ただ、最後にJPEG形式のデータを生成する処理だけはちょっと時間がかかります。
仕事に使えるかは仕事の内容次第
すごく重たい処理、前の節で書いた高画素のデジタルカメラの写真の操作などを仕事でやるときには、その処理速度が仕事の効率に直結します。動画の作成などもそうですね。
ですので、そういった仕事に使うにはエントリーパソコンの性能はちょっと微妙なポジションになります。
処理時間を待てる余裕があるなら十分に使えますが、最高の仕事効率を求めるならもっと性能、特にCPUの性能がいいパソコンを準備した方がいいと思います。
仕事でもオフィスソフトで文書を作るぐらいのパソコン側にとっては軽い処理ならば、今のエントリー機なら十分以上のパワーがあることも分りました。
メインメモリが8GBあることもあってオフィスソフトとブラウザ等のアプリを複数同時に立ち上げながらの作業もとてもスムーズです。
使い途にあったパソコンを選べば高くない
今回使った3つのパーツのお値段は普通に購入できると合計で1万8千円ぐらいです。これプラス、ハードディスク、電源、ケース、OS本体があればパソコン本体はできあがり。
今はスマートフォン市場の減速の影響でSDカードやSSDがすごく安くなっていて、SSDは250GBクラスのものが最低3,000円台から購入可能です。
電源とケースも安いものを探せばこちらも3,000円台から。Windows 10本体が一番高くて1万5千円程度。
合計で5万円以下でとても実用性が高いパソコンを一台作れる訳です。今ならこの構成のパソコンでほとんどすべての用途を問題なくカバーできるはずです。
確かに一部、最新の画面がすごくキレイな3Dもののゲームなどは動かすことが無理ですが、遊べるゲームのタイトルもたくさんあります。
つまりそれぞれのユーザーごとにパソコンの使い途をよく確認しておけば、パソコンに無駄な出費をする必要はなくなります。
近くにパソコンに詳しいご友人がいたら相談してみるのもいい方法ですね。
お店の店員さんに相談するのもありですが、使い途をはっきりさせないと店員さんもアドバイスのしようがなく、安全を見込んだ性能もお値段も高いパソコンをおすすめされることになります。
パソコン関連のあれやこれやは確かにいろいろと面倒で難しい内容もあるのですが、そのあたりを絞り込むためにもちょっと勉強してみるといろんな無駄を省けるかもしれませんよ。