乾電池、今使われているポータブルな直流電源としては恐らく一番古いものだと思いますが、それでも未だにあちこちで使われ続けているものでもあります。
LEDランタンやラジオなど、非常に役立つものの多くも電池を電源にしているものが多くなっていますね。
乾電池の中でもよく使われる単3電池、単4電池型には非常に優秀な充電池としてエネループなどのNiH系の二次電池が製品化されています。
このジャンルにちょっと面白いニューカマーが現れました。電池として普通に利用可能な「リチウムイオンバッテリー」です。今回はBLUEDOTのBMB-MR3、BMB-MRU3、BMB-MR4をご紹介します。
エネループなどのニッケル水素電池の弱点
エネループは非常に優秀な充電池です。特に際立っているのが放置したときの自己放電の少なさ。満充電状態で放置してもリチウムイオンバッテリーとは異なりバッテリーセルがダメージを受けることがありませんので、自己放電の少なさと相まって非常用の電源にもすごく適しています。
ですがエネループをはじめとするニッケル水素電池にも弱点があります。それは端子間の基準電圧が低いこと。
乾電池の基準1.5Vに対して1.2Vしかありません。
このため一部の機材はエネループでは電圧が足りなくてきちんと動作しないケースがあります。
1.5Vの直流電源として最強かも?
今回ご紹介するBLUEDOTの乾電池型リチウムイオンバッテリーは、もしかすると今時点の1.5V直流電源としては最強の製品かもしれません。
エネループとは異なり、きちんと端子間電圧が1.5Vあるからです。
リチウムイオンバッテリー自体は基準の電圧が3.7Vもありますので、1.5Vに電圧をあわせるための制御回路を挟むことで電圧を落として1.5Vを出力しているはずです。
このためこの回路が正常に動作していれば、リチウムイオンバッテリーがほとんど空っぽになるギリギリまで1.5Vの電圧を保ち続けられるはずなのです、原理的には。
普通の乾電池でも使っているうちに端子の間の電圧はダラ下がりしていきますから、制御回路でずっと安定して1.5Vを保てるはずのこの製品は、多分、1.5Vの直流電源としては最強の一品になるかもしれないのです。
USBコネクタから充電出来る
そして今回取り上げたBLUEDOTの電池型リチウムイオンバッテリーは、一般的なスマートフォンの充電器を使って充電が行えます。専用充電器がいらない分、何かと便利に使えるようになっているはずです。
単3電池型の方は2つ仕様があって、1つはAndroidスマホで使われているマイクロUSBコネクタが使えるものと、USB Type-A形状のコネクタが使えるものとがあります。
後者はバッテリーの容量こそ落ちますが、充電器に直接挿せる簡便さがありますね。
今製品化するならば、マイクロUSBコネクタではなくUSB Type-Cコネクタにした方が良かったんじゃないかとも思いますが、汎用性はそれなりにあると思います。
高容量、大出力
形こそ乾電池型ですがさすがに中身がリチウムイオンバッテリーなことはあり、この製品はなかなかの大容量と高い電流出力の能力を持っています。
マイクロUSBコネクタ搭載の単3型が2,400mAh、USB Type-Aコネクタ搭載の単3が1,800mAh、単4型でも1,000mAhの容量を持っています。
マイクロUSBコネクタのある単3型では出力が1Aもあるなど、乾電池らしからぬパワーも持っています。
高出力な上に電圧を下げるための制御回路がはさまりますから、ある程度の発熱は予想されます。負荷をかけて使う前に何度かテストは行なっておきたいところですね。
どんな製品でも同じなのですが、リチウムイオンバッテリーはエネルギー密度が高くパワーがある分、無理をさせすぎて事故が起こると大変なことになります。
出来るだけ雑な扱いをしないよう心がけたいところですね。安定して使えれば様々な用途で幅広く便利に活用できるはずですから。