パソコンやスマートフォンのアクセサリを取り扱っているメーカーがいくつかありますが、それらメーカーって他社にはない発想ですごく面白いガジェットをちょくちょく世に出してくれます。
そんなメーカーの一つがサンワサプライ。多くは無難な「ジェネリック」な周辺機器などを販売していますが、またこのほどちょっと面白くて便利そうな、他社にはない製品を作ってくれました。
今回は超小型のBluetoothトランスミッタです。
USBメモリサイズ
今回サンワサプライが開発・発売したBluetoothトランスミッタ「400-BTAD005」はとにかくコンパクトなのですが、そのサイズ感は完全にUSBメモリ。
電源をUSB Type-Aコネクタから取る仕様になっているのですが、そのコネクタサイズと比べてみればサイズは一目瞭然。本当にこれで動くの?とちょっと心配になりそうなコンパクトさです。
合理的な作り
USBメモリのような形を選択したのは使い勝手の上でもとても合理的だと思います。
USB Type-Aコネクタから電源を取りますから、パソコンなどでの利用がすごく楽です。省電力ですからUSBコネクタから普通に供給される電力で十分に動作します。
また、今はスマートフォンの汎用充電器の出力コネクタはUSB Type-Aの形になっていることが多いですから、これらの機材に直刺す形で電源をもらって動作させることが出来ます。
今の薄型TVでUSBコネクタがついている製品はきちんとそこからの給電が行える機種も多いようですから、TVの陰に隠して目立たない形でTV音声もBluetoothに載せて飛ばせるようになります。
動画を見るには必須のaptX LL
Bluetoothで音声を飛ばす際の最大の弱点は音の遅延です。
音楽だけを聴くようなときには大きな遅延があっても全く問題はなく、それに気づくことすらないと思います。が、こと動画になるとお話は別。動画に登場する人物の台詞などでBluetoothによる音の遅れに気づくことが多くなるでしょう。
さらにリズムアクションゲームなど音とタイミングを合わせないといけない時には、Bluetoothによる音のズレは結構致命的な影響を与えることになります。
まだ一般的にはなっていませんが、クアルコムには音声の遅延がすごく小さな新コーデックaptX LL(Low Latency)があります。このコーデックはその名の通り音の遅れを小さくすることにフォーカスして開発された音声コーデックです。
通常なら毎秒30コマの動画で音の遅れに気づかないレベルの再生が実現できるとされています。
400-BTAD005はこのaptX LLに対応する、TVで使うことをターゲットの一つに据えたBluetoothトランスミッタになっています。
aptXも対応
400-BTAD005が対応する音声コーデックはBluetooth標準のSBCと上述のaptX LLに加え、高音質なaptXにも対応しています。
ただ、これらaptX系の音声コーデックを利用するには、Bluetoothイヤフォンやスピーカー側がこのコーデックを採用していることが必要になります。特にaptX LLは新しい規格ですので、お手元の機材が対応しているかのチェックはしておくようにしましょう。
400-BTAD005では音声はアナログのステレオミニ端子からの入力にのみ対応しています。
こういったとてもシンプルな作りに徹したこともあって、400-BTAD005の価格は直販ショップで税込み3,980円とリーズナブルな設定になっています。