イヤフォンジャックのないiPhoneで充電しながら有線接続のイヤフォンを
比較的新しいiPhoneではアナログのイヤフォンジャックが省略されるようになっています。
従来からのごく普通のイヤフォンを使うにはLightningコネクタにアダプターを付けて、そこにあるイヤフォンジャックを利用することになります。ですがiPhoneに標準で付属しているアダプターを使ってイヤフォンを使っている最中はiPhoneの充電が行えません。
こういった状況にうまく対応できるのが今回ご紹介するラディウス製のLightningコネクタ直結型のイヤフォンです。
イヤフォンだけど「だけ」じゃない
今回ピックアップしたラディウスのLightningコネクタ直結型のイヤフォン「HP-NX30L」は、見た目は単にイヤフォンのジャックがLightning端子に変わっただけの製品に見えます。
ですがLightningコネクタから出ている信号はデジタルデータ。なのでイヤフォンで使えるようなアナログのオーディオ信号はありません。
このためこのタイプのイヤフォンにはデジタルのオーディオデータをアナログの音声信号に変換するための仕組みと、その信号をイヤフォンが動かせるレベルまで増幅するアンプが必要になります。
ですのでHP-NX30Lみたいなイヤフォンは、実はイヤフォンとLightningコネクタとのインタフェースを持つ「ヘッドフォンアンプ」の組み合わさった製品になっているのです。
このためこのタイプのイヤフォンは一般的なものとは違って少し電力を使います。イヤフォン側にはバッテリーを搭載していないので、このためのパワーはiPhone側からもらうことになります。
つまり、こういったイヤフォンを使って音楽を聴くと、従来のアナログ接続のイヤフォンよりもiPhoneのバッテリーの消耗が早くなる、ということですね。
バッテリー消耗のデメリットも解消
HP-NX30Lのようなタイプのイヤフォンを使うとiPhoneのLightningコネクタを占有してしまいます。このため一般的にはイヤフォンイヤフォン使用中にiPhoneの充電ができませんでした。
これに対してHP-NX30Lはアンプなどのパーツを内蔵した小さなボックスに給電用のLightningコネクタを持っています。ここにACアダプターやモバイルバッテリーを繋ぐことでイヤフォンを使いながらiPhoneの充電も出来るようになっています。
前のセクションで書いたようなiPhone側のバッテリーの消耗が早くなる弱点も同時にカバーできるわけですね。
音質が良くなる
HP-NX30Lのようなイヤフォンを使う一番のメリットは、iPhoneで音楽を聴くときにもとても良い音で聴けるようになることです。標準品のイヤフォンアダプタはとりあえずイヤフォンを接続出来るようにするための製品で、音楽をいい音で聴くことにはあまり配慮されていません。
これに対してHP-NX30Lはイヤフォン部分もしっかりしたクオリティを持った製品になっていて、通話のための「ヘッドセット」レベルの音ではなく、しっかりオーディオクオリティといえる仕上がりになっているはずです。
製品トータルとしての再生周波数の範囲の高音側が40kHzをクリアできないのでハイレゾ対応を名乗れない製品ですが、24bit/48kHzのサンプリングレートの音源データの再生が可能です。
iPhone付属のイヤフォンアダプタとはひと味違うクリアな再生が可能です。
音の方がオーディオクオリティを実現している分、価格の方はやや高めで1万5千円ほどのプライスタグがつきます。
このお値段でしっかりしたクオリティのヘッドフォンアンプとオーディオ品質のイヤフォンを入手できると言うことにもなりますので、iPhoneをプレイヤーにしていい音でいつもの音楽を聴きたいユーザーにはトライしてもらいたいガジェットの一つですね。