先日、なんとなくAmazonのサイトをあれこれ眺めていたのですが、ふと気づいたのがSDカードの値下がり具合。SSDなんかも容量あたり単価(=ビット単価)すごく安くなっていて、フラッシュメモリを使う媒体全部がものすごく値下がりしています。
世界的にスマートフォンの需要がだいたい一巡してスマートフォンの売り上げが停滞。その結果としてスマホの内蔵ストレージにも使われるフラッシュメモリが余り気味、というのがその理由の一つと言われています。
わたしがAmazonで最初に見つけたのはパソコンのメインメモリモジュールのメーカーとして定評のあるPATRIOT製品でした。256GBが3,300円ちょっと。しかも結構な高速タイプでした。
こちらはウォッチしているうちに買い時のタイミングを逸して売り切れてしまったのですが、もう少しあれこれ調べてみると他社製品でもそこそこ高速なタイプが同レベルのビット単価で販売されていることが分りました。
と言うわけで今回選んでみたのはフラッシュメモリ系の媒体では老舗と言えるブランドレキサーの製品です。UHS-I対応で最低書き込み速度30MB/secを保証するV30規格、AndroidスマホでSDカードにインストールしたアプリの高速起動にも対応するA1規格にも準拠している製品です。
購入価格はわたしが買ったときにはAmazonで3,284円でした。
まずは転送速度測定
購入したレキサーのマイクロSDカードは、先日機種変更したXperia 1で使用する予定で手に入れましました。
ですが、まずはパソコンで転送速度の測定を行なってみます。こういったカードの最高性能を引き出しやすく本当の性能をしっかり確認できるのはやっぱりパソコンの方ですから。
使用したのはパソコン用ストレージのベンチマークでは定番中の定番、CrystalDiskMarkです。
結果はこんな感じになりました。
データの読み出し速度は90MB/sec近く。書き込み速度は65MB/secクラスの性能があります。256GBが3,000円ちょっとで手に入るすごく低価格なマイクロSDカードとしては望外の高速性能です。
カード自体のスペックとしてはリード95MB/sec、ライト45MB/secとなっていましたので、書き込み性能は公称値を大きく超える性能を発揮してくれています。
マイクロSDカードをXperia 1に接続して今度はAndroidアプリのA1 SD Benchで速度を測ってみるとこんな数字になります。
残念ながらPCに接続したときと比べると書き込みも読み出しもかなり低めの数字になりました。
カード自体やベンチマーク用のアプリが云々、と言うよりも、スマートフォンのカードリーダ側の性能の限界が見えているのかもしれません。
出ている数字だけから考えると、Xperia 1のマイクロSDXCカードスロットはUSB2.0規格で心臓部と接続されているような風に見えます。
ですが、とりあえずXperia 1で使うならば、カード側の性能は十分だと思います。
オマケ。USB2.0の限界
USB2.0はインタフェースの規格上の転送速度の限界が480Mbps。さらに実際にデータのやりとりに使えるのはそのうち400Mbpsぐらいです。ですのでUSB2.0でつながる機材でのデータの転送速度はだいたい40MB/secぐらいが上限になります。
このため今回買ったSDカードのような高性能なメディアはその性能を全部使い切ることが出来ません。ちょっともったいないですね。
これに対して今の新しいパソコンはもっと新しいUSBの規格、3.0とか3.1を普通に使えるようになっています。
USB3.0ではデータの最大転送速度は5Gbps、だいたい5,000Mbpsです。単純にUSB2.0の10倍以上のデータのやりとりのポテンシャルがある訳です。
前の節のパソコンでの性能測定はカードの性能限界を見る意味でもUSB3.0接続のカードリーダーを使っています。
ちなみに、最近のスマートフォンのUSBコネクタはUSB3.1(≒Type-C)の形のものを採用していますが、中身を流れる信号がUSB3.1のものになっているとは限りません。
このあたりかなり厄介な事情になっていますので注意した方がいいケースもあります。
実使用感
Xperia 1でレキサーの256GBのSDカードを使ってみた感じは、今のところベンチマークによるスペック通りの使い勝手が出せている感じで十分な使い勝手です。
Xperia 1のWi-Fi 5の無線LANは実効転送速度がかなり速いのですが(ちょっと驚きました、ってレベルで)、大きなデータを無線LAN経由でサーバからダウンロードしてみるとカード側の書き込み速度が転送速度を抑えてしまう様子が見えます。
無線LANの転送速度がカードの書き込み速度を超えていると言うことですね。
ちょっともったいないと言えばもったいないのですが、その際の実転送速度はA1 SD Benchで示された転送速度にかなり近い数字が出ています。一般的なデータの置き場所としては十分すぎる性能です。
非常に容量を食う高画質の動画とかハイレゾ音源データの置き場所に使っていますが、空き容量をほとんど気にすることなくどんどんデータをため込んでおけるのはとても気楽でいいですね。
大きなデータはどんどんSDカードに振り分けることで、内蔵ストレージの空きが足りないよ、とOSから警告を受けるようになってしまうこともまずないでしょうし。
ビット単価1/2
このSDカードを入手する前までXperia 1ではTeam製の128GBの製品を使っていました。
こちらは1年ちょっと前に入手していたようなのですが、その時の購入価格は3,480円。わずか1年の間に容量あたりの単価が半分以下になっていた、と言うことですね。
さすがにこれはちょっと驚きました。128GBのカードも安くて速いなぁ、と感激していたんですけどね。
ここまで容量あたりの単価が下がると、何らかのトラブルが起きてSDカードが使えなくなった際に痛いのはカード自体の価値よりも中に入っているデータの方になってきます。
本当に大切なデータはSDカードだけでなく、別の場所にコピーを取っておく(=バックアップを取る)ようにしたいですね。