ニュースサイトのアクセスの稼ぎ方(トレンドアフィリエイト)をマーケター目線で解説する

2018年9月21日ウェブマーケティングアクセス,ニュース,マーケター,メディア

大手新聞社や放送局のウェブ化が進み、現在では多数のニュースサイトが存在します。

それらのニュース記事を元に、TwitterやFacebookの投稿を引用したキュレーションメディアが一昨年くらいから出始め、今では飽和状態となっています。

また、Yahoo!ニュースという大手メディアをまとめたニュース配信プラットフォーム一強だったのが、SmartNewsやグノシー(Gunosy)といったレコメンドエンジンを搭載した最適化配信プラットフォームも登場し、昨年にはグノシーが東証マザーズへ上場を果たしています。

今回は、どうしてニュースサイトが検索からの流入を得られるのか(Yahoo!や大手配信プラットフォームからの流入は除いて)、その仕組みについてウェブマーケティングの目線で解説します。

目次

そもそもニュース記事は「一次情報」であり、拡散性が高い

大手の新聞社や放送局は、取材班というのを自分たちで持っており、彼らの取材を元に"一次情報“(まだ世に出ていない情報)を配信します。

そのため、我々にとっては価値のある情報であり、多くの人がTwitterやFacebook、はてなブックマークなどでシェアしていきます。(もしSMAP解散のニュースがネット上に初めて流れたら、そのニュースをシェアしたくなりますよね?あるいは、誰かに言いたくなりますよね?)

検索エンジンはソーシャルからの被リンクを評価するが、それに加えて元々"一次情報"を検索エンジンが優遇するシステムになっている

検索エンジンが"一次情報を優遇する"とはどういうことか、説明します。

“一次情報"とはまだ検索された事のない/あまり検索されていない検索キーワードが沢山含まれる故に、新たな検索クエリからの流入が爆増する

例えば、直近であったのが「ベッキーとゲスの極みのボーカルの…(名前忘れた)の不倫」のニュース。

新聞やテレビで騒がれれば、両者を知らない人から「ベッキー」「ゲスの極み乙女」「…(ボーカルの名前失念…)」といったキーワードでの検索ボリュームが普段に比べて激増するのは分かりますよね?

ここをもう一歩踏み込むと、「ゲスの極み ベッキー」「ゲスの極み 妻」「ゲスの極み 元カノ」と言った、これまで検索してもヒットしにくいキーワードをニュースサイトが独占することになります。

しかも、これらのキーワードの流入は直近1週間くらいはかなり多いはず。

ニュースサイトは検索ボリュームの少なかった or 検索流入の無かったキーワードからの流入を、圧倒的な記事更新ペースで常に上位表示させて検索流入を稼いでいる

正直言って、大手新聞社や放送局の運営するニュースサイトでもSEO対策(基本的な部分からコンテンツの内容まで)に関して最適化されているとは言えず、我々個人でも検索クエリの上位を獲得することができます。

ここからは当サイトでの実例を紹介します。

Yahoo!が一休をTOB(株式公開買付け)を行った際の記事で、大手ニュースメディアより上位表示を簡単に出来た

「yahoo tob」「一休 tob」というキーワードで検索した時の、現在の検索順位を確認しましょう。(ちゃんとシークレットウィンドウで見てますよ。)

「yahoo tob」→ 1位

「一休 tob」→ 2位

どちらも上位表示が出来ています。

しかも、"日経"や"ロイター"と言った超大手のメディアを差し置いて、です。

個人サイトでも簡単に新しい検索クエリであれば上位表示出来てしまうのですから、大手ニュースサイトであれば簡単です。

一見問題無さそうに見えるが、事件や事故の被害者・犠牲者の名前などでも上位表示してしまう

ニュースサイトは一次情報を提供している優良メディアです。

そのため、例えば大きな事故や事件が起こった際に正確に被害状況を説明することは、被害者の親族の方や知人など情報を知りたい方にとって非常に大事です。

東日本大震災のような大きな災害の場合、身内の安否情報を確認出来ないことは心労にもなりますし、情報が判明次第いち早く報道すべきでしょう。

詮索好きの日本人は、被害者や犠牲者(もちろん加害者等も)の個人情報を"報道により公表された実名で“検索する

いわゆるエゴサーチというもの。

報道では基本的に実名(と場合によっては顔写真まで)が出されます。

“検索"という行動を世に植え付けたGoogleの功罪と言えるかもしれないですが、こうした報道の情報を元に検索してしまうユーザーが多いのも事実。

もし被害者がTwitterやFacebookのアカウントのプライバシー設定をあまり行っていなければ、簡単にアカウントを特定されてしまいます。

こうして検索されるだけであればまだしも、ネットの匿名性を利用して顔写真などをネットで拡散するタチの悪い人もいるのです。

今回のスキーバス転落事故のこの報道、本当に胸が痛くなりました。御遺族の承諾は取ったの?

僕が疑問に思ったのが、この記事。

http://www.sankei.com/affairs/news/160116/afr1601160012-n1.html

犠牲者の名前だけならまだしも、顔写真をFacebookのプロフィール画像から取ってきているご遺族の方の承諾は得たのだろうか?

今回の事故、センター試験が1/16,17にあるために1/15は大学に立ち入り禁止になるのが普通。

そのため、木曜の夜の夜行バスで金曜の朝からスキーに行こうとしてた学生さんが犠牲になりました。

優秀な大学の学生が多く、中には大手企業に就職が決まっていて恋人もおり、一緒に巻き込まれてどちらも亡くなってしまった方も…。

金曜の朝にニュースを見て、本当に1日憂鬱でした。

確かに、生前の様子をインタビューして報道するというのは昔からある報道手法です。

しかし、現在ではTwitterや実名で登録が義務のFacebookといったSNSが発達しています。

実名と顔写真がセットで報道されれば、検索することで誰でも簡単にアカウントを特定することができます。

ネット民はそれを元に"2ch"のような掲示板で拡散するのです。

この誰も喜ばない負の連鎖が生まれることを、各報道局は理解した上でニュースサイトの運営を行っているのでしょうか?

こう言ったニュース記事をまとめる所謂「まとめサイト」も同様に拡散の加担者になっている

今や有象無象のウェブサイトが立ち上がる中、モラルの欠片のないサイトも増えています。

今回の事故の犠牲者のFacebookの投稿をサイト上で公開する運営者もいて、憤りを感じます。

確かに犠牲者や被害者の名前で上位表示してアクセス・広告収入を得られるかもしれないね。でも、あなたに人の心はあるの?

Googleの検索エンジンのアルゴリズムも完璧ではありません。

アメリカでも死後の情報やリベンジポルノへの対策に動き出していますし、いずれはこういった事件や事故のようなデリケートな情報への対策が取られるでしょう。(特定のキーワードを含む場合、インデックスさせないとかね。)

最近ではヘイトニュースやフェイクニュースと言った、情報を捻じ曲げた拡散性の高い内容を公開しているサイトが世界的に問題になり、FacebookやGoogleの検索結果から削除されてきています。

インターネットで発信するのが手軽になりすぎている今、自分の発信する情報で誰かを傷つけていないか、よくよく考えて行う必要があると感じています。