Facebookが動画(画像)加工アプリ「MSQRD」を運営するMasquerade社を買収しました。
MSQRDとは、動画の顔部分を認識して様々なフィルターをかけられる(お面を被せられるイメージ)アプリで、何と2015年11月30日にローンチされて2016年3月9日にFacebookに買収されるというシンデレラストーリーそのもの。(参考:MSQRDがリリース4ヶ月でFacebookに買収されるまでの軌跡)
上記リンク先を見ると、まさにスタートアップそのものといったリーンスタートアップを体現したような制作・運営体制だったよう。
今回は、Facebookがなぜ動画フィルターアプリであるMSQRDを買収したのか、その理由について考えてみます。
Facebookが時価総額50兆円の理由をマーケティング目線で解説する
FacebookがMSQRDを買収した建前は「若年層にアプローチする(=Snapchatの牙城を崩す)」ため
Facebookは18歳未満でも利用可能ですが、公開範囲が「友達」までと制限があります。
Twitterなどの他のSNSとは異なり、完全実名制のFacebookは(恐らくですが)若年層のアクティブユーザー率が低いはず。(若者が投稿したいような少し過激な内容をFacebookで投稿するのはハードルが高いのです。実際に以下の記事があります。)
参考:米国の10代、急激にフェイスブック離れが進む一方で、インスタグラムとスナップチャットの人気急騰
18歳未満は利用禁止としていたからこそ、日本の18歳未満に爆発的に流行ったmixiがありましたが、Facebookは完全にその逆なのです。
“Facebookでの”若年層の獲得は諦め、InstagramとMSQRDを買収して若年層の拡大を図った
Facebookが賢いのが、Facebook自体が若年層には使ってもらえないサービスであると認識するや否や、他サービスを買収して若年層のユーザー丸ごと買ってしまったのです。
実際にMSQRDに似た機能をFacebook上にローンチするも鳴かず飛ばずで、即クローズして今回の買収に至った訳です。(Instagramと同様、Snapchatとも買収交渉を行いますが破談しました。)
うーん、恐るべし経営判断の速さ。
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FacebookがMSQRDを買収した本当の理由は”顔認証技術のVRへの適用“だったのでは?
FacebookはVR技術(仮想現実)で有名な「Oculus VR」を20億ドルで買収しています。
僕は重度のFPSゲーマーなため、VRを利用したゲーム機器にも関心があります。(Oculus liftとか)
今現在、発表されているVRゲームラインナップとしてはFPS(First Person Shooting = 一人称視点)のゲームがほとんどに見受けられます。
MSQRDの顔認証技術は”TPS“視点のVRゲームの開発に使われるのでは?
もしOculus liftに”インカメラ”が備わり、MSQRDの顔認証技術を利用すればTPS(Third Person Shooting = 三人称視点)ゲームに自分の顔写真を投影したキャラクターを使えるのでは?と考えています。
FPSのゲームの場合、”画面酔い”する人も多く万人受けするゲームは多くありません。
やはり、TPSでのゲームでもVRヘッドセット使えることが、世界的ヒットへの近道になるのです。
VRゲームは間違いなく大きな市場を形成すると思いますが、この先が楽しみですね!